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北海道酪農ヘルパー事業
推進協議会HOKKAIDO DAILY HELPER BISINESS PROMOTION COUNCIL

インタビュー3

「酪農といえば北海道だった。」

入社7年目。人口よりも牛が多いという浜中町で、ベテランヘルパーの安江さんに日々の業務への思いを聞いた。

「自分は工業系の大学出身。デスクワークは自分に向いていないと思っていたし、畑違いだけれど『農業をやりたい!』という思いがあったんです。その中で農業といえば酪農、酪農といえば北海道だという思いで、神奈川県からここへやってきました。」

あくまでも農業・酪農にこだわり、北海道で生活をすることを選んだ。そこで酪農ヘルパーという職業を選んだのにはどのような思いがあったのだろうか。

「浜中町に来る前は道東の他の地域で、牧場従業員として働いていたんです。その中で、自分で酪農を経営したいという思いが生まれてきました。そこで新規就農へのサポートが充実していると聞いた浜中町で、ヘルパーとして経験を積みたいと思ったんです。のびのびとした地域の雰囲気が自分にも合っていると思います。」

現在主任として13名のヘルパーのシフトを組み立てるという責任ある立場を任されている。

大学4年時には十勝管内で臨時ヘルパーを1年間経験し、大学卒業を迎えるとともに空知にやってきた。

「シフト作成は大変なことが多いです。ヘルパーの休日を確保した上で、ヘルパーの経験に基づいた農家の組み合わせなど様々なことに考慮しなければなりません。また、農家の方が突然病気やけがをしてしまった時などもしっかりと対応をしなければなりませんが、責任ある仕事にやりがいを感じています。」

「ヘルパーは皆同じレベルであることが理想。」

自身ももちろんヘルパー業務に力を注いでいる。お話を伺う中で「コミュニケーション」という言葉が何度も聞かれたが、その裏には安江さん自身が失敗から得た教訓がある。

「酪農家によって搾乳の仕方、給餌のタイミングや機械の種類も異なるので、覚えなければならないことは多いです。以前、搾ってはいけない乳から搾ってしまい、酪農家の収入源である生乳をそのまま廃棄するという辛い経験を私自身がしました。伝達ミスが原因だったんです。その経験から、ヘルパー仲間、酪農家とのコミュニケーションは本当に大切だと痛感しました。現在私の会社では、定期的にミーティングを開き、出役する酪農家の特徴や作業のやり方などを全体で共有することにしています。以前のようなミスを他の仲間が起こさないようにするためにも大切な場です。」

「お客様相手の仕事であることを忘れてはいけない。」と安江さんは言う。そのお客様にどのように満足してもらえるかを、酪農ヘルパーは日々考え続けなければならない。

「酪農家がいちばん必要としているのは、しっかりと仕事をこなしてくれるヘルパー。そして信頼できるヘルパーです。酪農家に満足していただくには、誰がどこに出役しても、同じレベルで業務をこなせるというのが理想です。そのためには、仲間との情報共有をはかり、酪農家との信頼関係を築くことは欠かせません。」

主任として、ヘルパーの責任を熱く語ってくれた安江さん。自身の夢を聞いた。

「近い将来は自分で酪農を経営したいです。大規模というよりは家族経営で無理をしないほどの規模でやりたいですね。それを実現するためには、現在のヘルパーとしての経験は必ず活きてくると信じています。」

(取材 2014年11月)

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