酪農ヘルパーとは、
『酪農家が休日を確保できるように、代わりに牛の世話をする仕事』です。
酪農家は相手が生き物、ましてや毎日搾乳しなければならない乳牛が相手だけに、365日、世話を欠かすことができません。そこで活躍するのが酪農ヘルパーです。本来年中無休の酪農家の方が冠婚葬祭・療養・旅行などのために休日が取れるよう、ヘルパーが給餌(エサやり)や搾乳などの牛の世話をします。酪農ヘルパーの出役をおこなう事業を酪農ヘルパー事業といい、国や地方公共団体も支援しています。
「酪農ヘルパー」という仕事は、れっきとした職業です。アルバイトやパートと捉えられがちですが、実際は各組織に所属し、それぞれの組織に加入している酪農家の需要に応じて出役し、朝・夕と牛の世話をすることになります。現在、北海道には大小さまざまな86の利用組織があり、それぞれ10戸から400戸を超える酪農家が加入しています。牛の世話をしっかりとしなければならないのはもちろん、酪農家とのコミュニケーションも非常に大切です。さまざまな思いを持つ酪農家の方々と日々接しながら信頼関係を築き、酪農家に感謝されたときの喜びは格別です。
自ら酪農を始めるためのステップと考え、酪農ヘルパーになる方も大勢います。各自いろいろな思いがありながらも「北海道酪農に貢献したい!」という思いは共通です。
雄大な大地のもとでぜひ一緒に北海道酪農を盛り上げていきましょう!
北海道の酪農ヘルパー事情
北海道においては近年、毎年200戸ほどの酪農家の離農が続いており、生乳生産の減少は深刻ですが、その一方で施設拡大などを通じて飼養頭数を増やし、生乳生産の増加を目指す酪農家もいます。しかし家族経営の酪農家では、頭数の増加によって労働負担もより大きなものとなり、休息をとらなければ肉体的なダメージから回復することが難しくなります。搾乳ロボットを導入するなど機械化を進める生産者もいますが、いずれにしても生き物が相手ということで最後には「人」の力が必要なのです。
このような背景もあり、北海道における酪農ヘルパーへの需要は年々増してきています。道内86の利用組織内の酪農家の加入率は92.1%(令和元年度) に及び、ヘルパーを利用する日数も年々増加しています。このような中で酪農家とコミュニケーションをとり、信頼を得ていくヘルパーのお仕事はとてもやりがいのあるものです。
酪農ヘルパーになるには?
道内86の利用組織のうち募集のある組織に直接連絡をとり、順次面接を行います。双方の条件が合致すれば、利用組織の職員として採用されるのが基本です。(詳しくは各利用組織のページをご覧ください。)